教皇、ヨーロッパの教会の再建を励ます、司教らとのミサで

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 第一朗読のハガイ書を引用しつつ、教皇はバビロン捕囚から帰還した人々が自分たちの住居のことで心配し、神殿の再建を考えなかったように、今日のヨーロッパのキリスト者たちが、自分の家や教会や、伝統の与える安心感、ある種の合意における満足感など、心地よいシステムに留まりたい誘惑を抱く中、神殿の周りから人はいなくなり、イエスは忘れられかねない、と警告された。


 主が預言者ハガイを通して「心に留める」ようにと、ユダの人々に呼びかけるように、今日の教会に何が欠けているのかを考えなくてはならないと、教皇は話した。


 教会内のポジションや、議論や計画にとらわれている間に、わたしたちは、慈愛の業を深めることや、無償性への情熱といった、「福音」の真のプログラムを見失ってしまう、と言う教皇は、問題や閉鎖から抜け出すための道は、「無償で与える」道であると説かれた。


 ご自身の家を再建するようにと、主は預言者ハガイを通して言われ、民は神殿を建て直した、と述べた教皇は、ヨーロッパという共通の家を建て直すには、創建の父たちの先見的な、未来を見つめた視点に立ち帰ることが必要と述べた。


 同時に、神の家である教会をより美しく受容的にするために必要なことは、過去を修復することでなく、未来を共に見つめ、福音の告知・寄り添い・証しという基礎の上に教会を再建していくことである、と強調された。


 そして、教皇は、イスラエルの人々が自らの手で神殿を再建したように、ヨーロッパでも多くの聖人たちが、自分の小ささを自覚しつつ、神に信頼し、恵みを受け入れ、自分の生活を変えることから始めて、困難な時代の中に信仰を再構築していった、と振り返られた。


 ヨーロッパでは、多くの人が信仰はすでに見たもの、過去のものと考えている、と教皇は指摘。それは彼らが、自分の人生の中で働くイエスの存在を見ることができなかった、あるいは、わたしたちが自分の生き方を通してイエスを十分に証しできなかったからである、と話された。


 いつくしみ深い、驚くほどの神の愛こそ、福音の永遠の新しさである、と説きながら、教皇は、言葉だけではなく、生き方を通し、祈りや清貧さや創造性をもって、疲労したヨーロッパを助けて行こう、と司教らを励まされた。